五臓には表裏関係の腑がいるのさ
イチニ イチニ イチニ イチニ
肝ウーッド「いよぉ〜ぺんたん。」
ぺ「あ、肝ウーッド、どうしたのその格好、ハチマキなんかしちゃって、しかも足も、、2人3脚?」
肝ウーッド「そ、2人3脚。秋の五行大運動会の練習中なんっすよ。」
ぺ「えーっと肝ウーッドの裏側にいらっしゃるのは、、。」
胆「初めましてぺんたんさん、私、胆でございます。」
ぺ「胆、、。あ、夢の中に出てきてた、、。初めまして。」
肝ウーッド「俺たち、こういう感じで表裏関係なんっすよ。」
ぺ「表裏関係?」
肝ウーッド「そ、俺たち五行レンジャーにはそれぞれ表裏関係の腑がいるんっすよ。」
ぺ「腑?」
胆「あの、ぺんたんさん、よく『五臓六腑にしみわたる』などといった表現が使われると思いますが、その六腑のことでございます。」
ぺ「あぁ、そう言えばそんなこと言いますね。」
肝ウーッド「なんかさぁ最近、腑の連中から苦情来ててさぁ。五行レンジャーばっか目立って、六腑の立場はどうなってるんだ、とかさ。仙人社のこともあるし、自分たちが無視されてる感が嫌みたいでさ、、。それで今日はそれぞれペア組んで、運動会の練習ってわけ。」
ぺ「なるほど、仙人社が出来上がった時に六腑が仲間はずれにされないようにってことね。」
胆「私たち六腑も五臓と同様、日夜頑張って働いております。同一労働同一賃金、五臓より評価が劣るようでは納得がいきません。」
ぺ「あの、私もまだよくわかってないんですけど、具体的に六腑って誰のことなんですか?」
胆「これは大変失礼いたしました。中医学で言うところの六腑とは、胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦(さんしょう)であります。」
ぺ「なるほど、でも6個あるってことは五臓とペアになると、一つ余っちゃいますね。」
胆「三焦は実体のない腑でして、横隔膜より上からへそより下までの気と水の道と言われております。」
ぺ「へぇ、なんか難しくてよくわからないけれど、誰と誰がペアなの?」
胆「肝&胆、心&小腸、脾&胃、肺&大腸、腎&膀胱、です。ですが表裏関係と言いましても、私と肝ウーッドのように実際の位置も表裏というものばかりではありません。皆、経絡によって繋がっている表裏関係なのであります。」
肝ウーッド「俺たち五臓はさ、貯蓄っていうの?精気をさ、ちゃんと貯蔵しておくとこなわけよ。で、腑はさ、流通担当ってわけ。」
胆「はい、腑は空間がある入れ物の形をしておりまして、水穀(すいこく)と言われる要するに食べた物なんですが、それを受納し、伝送しておるのです。」
肝ウーッド「ちゃんと分担されてるってわけ、貯蓄も流通も必要っしょ。」
ぺ「なるほど、、。」
胆「胃は食べ物を受け入れ、消化し泥状に腐熟して小腸に送っております。小腸はわかり易く言うと分別所で、必要な栄養分や津液を吸収して脾に運び、不必要になったものを大腸と膀胱に運んでおります。」
ぺ「なんとなくわかる気がする、、。」
胆「大腸は運ばれてきた糟粕(そうはく、廃物のこと)の水分を再吸収し、残りを糞便化させ、肛門から排泄させます。」
ぺ「水分を再吸収?」
胆「はい、これはとても大事なことで、この再吸収の働きが悪くなると、水分と糞便が一緒に排泄され、下痢となってしまうのです。また、大腸に熱がこもると水分の再吸収が過剰となり、便秘となってしまうのです。」
ぺ「なるほど、食薬の効能に『大腸の熱性便秘』なんて書いてあるのは、その事なんですね。」
胆「はい、そして膀胱は蓄積している尿液から水分を再吸収し、津液を生成し、要らない水分を排尿します。」
ぺ「すごいわぁ、みんなそんなに頑張って働いてるのね、、。あ、じゃあ、胆は?胆の仕事はなんなの?」
胆「私は、決断を司っております。」
ぺ「決断?」
胆「はい、、もちろん胆汁の分泌と貯蔵も行っておりますが、肝が伸びやかでいられるように手助けをし、精神、情緒を安定させ、そして、物事を判断し、決定する!これが私の仕事であります。」
ぺ「うわっ、胆、かっこいい!」
胆「ありがとうございます、ぺんたんさん、よければこれをどうぞ。ブラックパールです。一つだけ赤い実をつけました。紅一点、ぺんたんさんのようであります。」
ぺ「ありがとう、胆。」
肝ウーッド「なにカッコつけちゃってんの〜、さっさと二人三脚の練習しようぜ。俺達2人にはこんなの簡単、肝胆、、」
肝胆 肝胆 肝胆