仙人、風を起こす。
ぺ「仙人、何か考え事ですか?」
仙「ふむ、ちょっとな。」
ぺ「会合で何か困ったことでも?」
仙「ふむ、思いがけないことが起こってくるもんじゃのう、仙人の中にもおかしな事を考える者が出てきて、、他の神を盗み取ろうなどとしてのう、修行が足らず行き詰まっておるのか、、それとももっと安直なものか、、。」
ぺ「仙人なのに?」
仙「そうじゃ、だからそういう仙人を取り締まろうと、。。あぁいかんいかん、こんな事を考えていては体に良くない、ぺんたん、散歩にでも行こう。」
雨上がりの道を仙人と一緒に歩いていきます。
ぺ「あ、ドクダミがたくさん咲いてますよ。あ、あの木、ビワがいっぱい。」
仙「昔はなぺんたん、人類は鳥や獣と一緒に自然の中で暮らし、寒い時には体を動かして暖まり、暑い時には物陰に入って涼をとる、そんな生活をしておったんじゃ。」
ぺ「人も自然の一部だったんですね。」
仙「そうじゃ、だから皆、肉親間の感情のもつれもなく、立身出世の欲もなく、あっさりと平和だったんじゃ。」
ぺ「今の時代とは大違いですね。」
仙「誠にあっさりしたものじゃ、世の中全体がそういう風だったので、邪気とてほんの体表に留まるだけじゃった。だからのう、その頃の病気の治療といったら、なんとも簡単なものじゃ。祈祷師が精神的暗示を与え、病人の気分を変えるだけで治ったのじゃ。」
ぺ「すごい、そんな簡単なことで!」
仙「ところが今はどうじゃ、精神的疲労に乗じて邪気は体内深くまで入り込む。」
ぺ「それで五行レンジャーを蝕む、、。」
仙「良いことを教えてやろう、ぺんたん。」
ぺ「はい。」
仙「三位一体の術!じゃ。」
ぺ「術?いよいよ術が学べるのですか?」
仙「中医学における整体観念じゃ。」
ぺ「う、何か難しそう。」
仙人は両手を大きく広げ、プォーーーっと息を吐き出した。
風が起こった。
仙「宇宙を感じよ、ぺんたん。宇宙の中に存在するものは全て繋がり、変化し、循環しておる。始まりと終わりはいつも同じところである。」
仙「自然と統一、人体を統一、そして社会環境と統一。」
仙「これが三位一体の術じゃ。」
仙人が両手を元に戻すと、風は止んだ。
ぺ「仙人を目指すなら、この修行が大切なんですね。」
仙「そうじゃ、季節や風土への適応、人体内のバランス、そしてどんな時代であろうと、その社会に適応していく人と社会環境との統一、これができねば、仙人への道は遠いものとなるぞ。」
ぺ「はい、肝に銘じて修行に励みます!」
仙人問答
仙「今日は山でビワを採れてよかったのう。うむ、うまいうまい。」
ぺ「仙人、自分ばかり食べてずるい、、。」
仙「今日はちゃんとぺんたんの分も残してあるぞ。」
ぺ「あー本当に甘くて美味しいですねー。」
仙「ぺんたん、種は捨てるでないぞ。」
ぺ「え?どうするんですか?」
仙「洗って乾かして、酒に漬けておくのじゃ。これはうまい酒になるのだぞ。」
ぺ「えー、またお酒!」