薬膳でセルフケア めざせ!仙人life

中医薬膳学に基づき、薬食同源、医食同源で仙人のような健康長寿を目指します。

陰を補う巣ごもりボール

 

スワローズに滋養たっぷりの薬膳を

 

 

トントン

  グツグツ 

      

ぺ「仙人、忙しそうですね、何を作って見えるのですか?」

仙「滋養たっぷりの薬膳じゃ。」

 

   こねこね

      クルクル

 

ぺ「わぁ、色々入って美味しそう。」

 

仙「そうじゃ、具材を皆みじん切りにして、捏ねた豚肉と混ぜ、こうしてゆで卵を包むのじゃ。」

 

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ぺ「へぇ、面白ーい。」

仙「ツバメの巣の様に見えるじゃろ。」

ぺ「そう言われれば、なんとなく、、。」

仙「スワローズに、しっかりと滋養のある薬膳を作って食べさせておくのじゃ。」

 

 

 ホワホワホワ〜ン 

 

仙「よし、完成、豚肉の巣ごもりボール じゃ 。」

 

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ぺ「うわっ、美味しそう、スワローズにあげる前にちょっと一口、、。」

 

 パクッ

 

ぺ「んーー〜、美味しい、、。」

仙「滋養たっぷりじゃからのう、これで留守の間も安心じゃ、元気なヒナが生まれるじゃろう。」

 

ぺ「留守?仙人、どちらかへお出かけですか?」

仙「何を言うておる、昨日見せたじゃろ、。」

ぺ「昨日?あ、あのピカーンと光った、、」

 

ヒラリ〜

 

仙「それじゃ。」

ぺ「『米』」

 

仙「そうじゃ、。」

ぺ「タケノコの根っこに、、『米』、、って事は、、。」

仙「と言う事は?」

ぺ「わかりました!たけのこご飯を作りましょう、って言う事ですね。大丈夫です、昨日の茹でタケノコまだありますから、早速たけのこご飯を、、もち米も入れておこわ風にすると美味しいですよー、。」

 

 

仙「・・・修行の足らん奴には『米』が発するこの『氣』を感じ取れぬか、、。」

ぺ「???」

仙「『米』じゃ、『米』がわしを呼んでおるのじゃ。」

ぺ「???」

 

仙「行くぞぺんたん、「ドラゴンボールズィー」と発音する国へ、、。」

ぺ「えーっえーっ❓えーーーーーっ‼️」

 

 

 

豚肉の巣ごもりボール

材料(2人分)

豚ひき肉200g、にんじん50g、さやえんどう20g、干し椎茸(小)2枚、松の実10g、枸杞子3g、陳皮1g、

枸杞酒(紹興酒)大さじ1、生姜5g、醤油大さじ1/2、ごま油大さじ1/2、片栗粉大さじ1/2、塩ひとつまみ、

ゆで卵2個、レタス適宜

 

 

 

作り方

  1. 干し椎茸は水で戻す。枸杞子は枸杞酒(紹興酒)で戻す。ゆで卵を作る。
  2. にんじん、エンドウ、椎茸、生姜、陳皮は全てみじん切りにする。
  3. 豚ひき肉をボウルに入れ枸杞酒紹興酒を入れて良くこねる。
  4. 粘りが出たら、2の具材と松の実、枸杞子、調味料を全て入れて捏ねる。
  5. 4を2つに分け、ゆで卵を包む。
  6. 耐熱皿に入れ沸騰した蒸し器で15分蒸す(又はレンジで蒸す)。

 *お弁当用にはうずら卵で作ると良いです。

 

 

豚肉 滋陰類

[性味/帰経 ]  平、甘、鹹/ 脾、胃、腎

[働き]⑴滋陰潤燥、益脾補腎、長筋肉、生津液、潤皮膚

 

玉子   滋陰類

[性味/帰経 ] 平、甘/ 肺、心、脾、肝、腎

[働き]⑴滋陰潤燥 空咳、口渇

    ⑵清咽開音 目赤、声嗄れ、発声困難、のどの痛み

    ⑶養血安胎 不眠、多夢、めまい、精神不安、胎動不安

 

にんじん  養血類

[性味/帰経 ]  平(微温)、甘/肺、脾、胃、肝

[働き]⑴養血明目益肝 血虚による目の乾燥、かすみ、視力低下

    ⑵斂肺止咳 咳、咳痰

 

さやえんどう  理気類

[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃

[働き]⑴健脾益気、健胃利湿 食欲不振、嘔吐、下痢

    ⑵解毒利水 水虫、吹き出物、外傷腫毒

    ⑶生津通乳 産後乳汁不下

 

椎茸  補気類

[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃

[働き]⑴補気益胃 脾胃気虚の食欲不振、胃痛、げっぷ、嘔吐

    ⑵托痘止血 風疹の発疹不暢、不正出血、血便、ガンの出血

 

松の実  滋陰類

[性味/帰経 ]  温、甘/肝、肺、大腸

[働き]⑴養陰平肝 めまい、かゆみ

    ⑵潤肺止咳 肺燥の咳、皮膚乾燥

 

枸杞子  滋陰類

[性味/帰経 ]  平、甘/肝、腎、肺

[働き]⑴滋補肝腎 足腰疼痛無力、遺精、めまい、頭のふらつき

    ⑵益精明目 白髪、視力減退、眼精疲労、風に当たると涙が出る。

    ⑶潤肺止咳 肺腎陰虚の慢性咳、喘息

 

橘皮(きっぴ)陳皮、橘紅(きっこう) 理気類

[性味/帰経 ]  温、辛、苦/脾、肺

[働き]⑴理気和中 脾胃気滞の腹脹満、嘔吐、食欲不振、下痢

         ⑵燥湿化痰 胸苦しい、咳、多痰、喘息

 

 

 

仙人問答

 

仙「準備は良いか?」

ぺ「は、、はい、多分、、。」

仙「土産も持ったか?」

ぺ「えーっと、トランプ、、。」

仙「それはどうかな?」

ぺ「あ、大丈夫です、富士山柄のトランプにしましたから、。」

仙「よし、では出発じゃ。」

 

ヒューン じゃなくて ヒコーキヒコーキ

 

ぺ「という訳で、皆様、私ぺんたんは、明日から仙人と共に『米』に行ってまいります。2週間ほど留守にいたしますので、どうぞ宜しくお願い致します。」(^_−)−☆

 

 

旬の筍で胃腸を整え、熱を取る。

 

葛で熱を取る

 

 

 サササッ 

      ササ  サササッ

 

仙「えい!」

 

 ゴボっ

        ピカーン

 

仙「むむ、やや、こ、これは、、。」

 

 

 

ヒュヒューン

 

ぺ「あ、仙人、お帰りなさい。」

 

ごろっ

 

ぺ「わぁ、大きなタケノコ、、。」

仙「今、掘って来たのじゃ。」

ぺ「では、早速茹でましょう、ぬかを入れて、、と、。」

 

グツグツ グツグツ

 

 

ぺ「仙人〜、タケノコ茹で上がりましたー。」

 

仙「ふむ、では、今日は上品に葛仕立てとするか、、。」

ぺ「くず、、ですか?」

 

仙「そうじゃ、葛根、春にお薦めの食薬、じゃ。」

ぺ「あ、そう言えば、春の食薬の時に、写真撮りましたねー。」

 

仙「くずで熱を取り、タケノコで痰を取る『清熱化痰』じゃ。」

ぺ「はい。」

仙「そして脾胃を労わるきのこ類とエンドウを使って「補氣健脾」じゃ。」

ぺ「?なんだか難しくなって来たけど、、取りあえず、はい!」

 

トントン  トントン

    グツグツ

          とろ〜〜り

 

 

 

ぺ「はい出来ましたよー、 筍とえんどうの葛仕立て  です。」

 

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仙「ウホウホ、美味そうじゃ、、。」

 

パクッ

 

仙「美味い美味い、、。」

 

ぺ「仙人、タケノコって、、 胃、大腸に帰経するんですね。」

仙「そうじゃ、大腸ガンの予防にも良いのじゃ。」

   

       パクパク

 

ぺ「化痰類だから、、。」

仙「高血圧や動脈硬化にも良いぞ。」

   

        パクパク

 

ぺ「おぉ、優れもの、、。」

仙「しかし、アクも強いのでな、食べ過ぎは禁物じゃ。」

  

        パクパク

 

ぺ「って、仙人、全部食べちゃってるじゃないですかー。」

 

 

 

筍とえんどうの葛仕立て

茹で筍60g、スナップエンドウ(さやえんどう)4本、しめじ30g、

干し貝柱8g、水1カップ、紹興酒大さじ1/2、生姜3g、塩ひとつまみ、葛大さじ1/2

 

 

 

 

作り方

  1. 干し貝柱を分量の水に浸けておく。
  2. たけのこは薄切り、スナップエンドウは筋を取り斜め切りにする。
  3. しめじはほぐし、生姜はみじん切りにする。
  4. 1を鍋に入れて火にかけ、煮立ったら紹興酒、たけのこ、しめじを入れて煮る。
  5. 4にエンドウ、塩、生姜を入れ、ひと煮立ちしたら水溶き葛でとじる。

 

 

 

筍(たけのこ)  化痰類

[性味/帰経 ]  寒、甘/ 胃、大腸

[働き]⑴清熱化痰 痰熱の咳、胃熱口渇、食積腹脹

         ⑵解毒透疹 麻疹、湿疹

    ⑶滑腸通便 便秘、小便不利 

 

さやえんどう  理気類

[性味/帰経 ] 平、甘/ 脾、胃

[働き]⑴健脾益気、健胃利湿 食欲不振、嘔吐、下痢

    ⑵解毒利水 水虫、吹き出物、外傷腫毒

    ⑶生津通乳 産後乳汁不下

 

しめじ(椎茸)  補気類

[性味/帰経 ] 平、甘/ 胃

[働き]⑴補気益胃 脾胃気虚の食欲不振、胃痛、げっぷ、嘔吐

    ⑵托痘止血 風疹の発疹不暢、不正出血、血便、ガンの出血

 

葛根(かっこん、クズ)  辛涼解表類

[性味/帰経 ]  涼、辛、甘/ 脾、胃

[働き]⑴発表解肌 外感表証の発熱、頭痛、無汗

         ⑵昇陽透疹 風疹、麻疹の透発が不十分な時

         ⑶解熱生津 発熱、口渇

 

干し貝柱(帆立貝)  滋陰類

[性味/帰経 ]  平、甘、鹹/ 肝、脾、胃、腎

[働き]⑴滋陰補虚 陰虚のめまい、口渇、小便不利

         ⑵調中開胃 消化不良、食少、倦怠

 

 

 

 

仙人問答

 

仙「今は昔、竹取の翁といふものありけり。」

ぺ「・・・」

仙「野山にまじりて竹をとりつゝ、萬の事につかひけり。」

ぺ「・・・」

 

仙「この続きを知っておるか?」

ぺ「はい、あれでしょ、えーっと、竹の中からお姫様が出て来て、、。」

仙「それじゃ、今日、わしが抜いたタケノコの根っこに、、。」

ぺ「根っこに?」

仙「ピカーンと光るものありけり。」

ぺ「ピカーンと光るもの、、。」

仙「これじゃ。」

 

   ヒラリ〜

月刊仙人life 4月号 2017

 

始まりの4月

 

 

新年度、、

私にとっては特に大きな変化は無いな、、って思いながら

いつもの電車に乗り、降りる。

改札口を抜け出たところ、

四季桜の下でいつも誰かと待ち合わせをしていた人が、、いない、。

「いつもの風景」が少し変わった、、

 

そんな4月を振り返って、、。

 

 

 

 

 

薬膳、移り変わり

 

 

まとめ下手の私が、何を思ったか、今月は真面目に補益類の4つの食薬、「補気類」「助陽類」「養血類滋陰類」を書き出してみたりしました。

 

「補気ッチャえ!」なんて調子に乗って書いていて、ふと気がついたんです。

「あれ?私は補気類の食材を分かってるけど、読んで下さってる皆様には、私が紹介した補気類しか分からないじゃない、、。」って。

で、まとめではなくて、資料として書き出してみました。

 

「うぇー何これ??」みたいな食薬&中薬が沢山あって、さぞかし驚かれたでしょう。

でも、これが本来の薬膳の姿、、と言うか、伝統的な「薬膳」の概念としては、こう言った「中薬」を使って作った料理の事を「薬膳」と呼ぶ訳です。

それが、時代と共に「健康維持」「病気予防」「改善効果」などがある料理全てを「薬膳」と呼ぶようになって来たのです。

 

最近では「和菓子の薬膳」「イタリアン薬膳」など、様々な薬膳が登場しています。

昨年11月に北京で開催された「中国薬膳制作技術大賽」(ネーミングがカタイ、、)で金賞を受賞された方のメニューをみても、「氣を補う根菜テリーヌ」「陰を補うミートローフ」「血を養うパウンドケーキ」など、随分カタカナの多いメニューとなっています。

負けてはならじ!と、「スコーン」「フォカッチャ」作りました(笑)

 

それにしても、「血を養うパウンドケーキ」、気になります。写真もレシピも掲載されていないので、料理名から想像するしかないのですが、、、

私もいつか「ヴァンパイアも喜ぶパウンドケーキ」にチャレンジしよっと、。

 

 

 

 

 

粥・気・氣

 

 「薬膳」の様に、言葉は時代と共に捉え方も変わり、新しく生まれ、消え、、。

 

けれど、本来に立ち帰って薬膳を見てみると、とにもかくにも「粥」です。

どんな症状の薬膳にも必ず「粥」が出てきます。

私の持っている薬膳学の本を開いても、載っているメニューの1/4〜1/3は粥です。

もし私が古典に基づいて忠実に薬膳を作るなら、多分1週間に1、2回は粥のメニューをアップする事になると思います。

(ブログを始めてから1回しか粥をアップしていない、、(^^;))

 

米は補気類、どんな時にもやはり気を補う事は最重要、。

清の時代に書かれた「老老恒言」(ろうろうこうげん)には、食材と中薬を使って作られた、老人の為の薬粥が100種収められているそうです。

 

さて、よーく見てみると「粥」と言う字は「米」が「弓」に挟まれた字、ですね。

この米を挟んでいる弓は、どうやら湯気、蒸気を表している様です。そして「米」は穀物を表しているのです。

 

そう言えば「気」の旧字「氣」の中にも「米」

穀物の実や穂を表す「米」

そしてもう一方で、八方に広がり、発散すると言う意味を持つ「米」

人体と言う小宇宙から氣を発散させて、巡らせているのですね。

 

 

  か め は め 波 〜〜〜〜〜 

 

 

 

 

 

自然界便り

 

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気温の上昇と共に山椒の葉が一斉に芽吹きました、、小さな花も咲いてます。

田楽や煮物、酢の物に添えて、香りよろしくオシャレ気分です。

 

そして何より嬉しいのが、今年も又、ツバメ達がやって来た事、、。

昨年の巣のメンテナンスに忙しそうです。

おかげで、玄関は又、フンと土と木くずがイッパイ・・・(>_<)

 

 

 

 

 

編集後記

 

 

桜の花びらもヒラヒラと、、ヒュルリラと舞い、散り、、

そろそろ、バジルの種を撒く頃です。

 

数年前知り合った、アメリカからの留学生M君、

日本で多くの「桜」の曲を聴き、「ヒラヒラって何?ヒュルリラって何?」と聞いて来ます。

「桜の花びらが舞う音よ、。」と答えると、

「桜の花が舞うのに音なんかしない。」って、、。

 

・・・日本語って、、美しい・・・

 

 

「氣」のお話ついでにもう1つM君のお話。

マンガ大好きM君と一緒に本屋さんに行きました。

大量のコミックを見て大興奮のM君

「オォ、ドラゴンボールズィー‼️」と叫ぶので

「違う!ドラゴンボールゼット‼️」

「ノー、ドラゴンボールズィー‼️」

「ち・が・う!日本ではドラゴンボールゼット‼️」

「ノー、ドラゴンボールズィー‼️」

「だ・か・ら、ドラゴンボールゼット‼️」

 

繰り返す事、数回、、、

本屋さんの店員さんが爆笑してました。

 

・・・日本人の英語って、、???・・・

 

 

さて、無駄話が長くなってしまいましたが、

今月も訪れて下さった皆様、コメント、スター、ブックマークをして下さった皆様、新しく読者になって下さった皆様、本当にありがとうございます。

「作りましたよ、美味しかったです。」なんていう嬉しいコメントも頂き、氣分は上々、感謝、感謝、です。

 

そして5月、、私にはスペシャルな日々がやって来そうです。

 

 

 

 

 

 

殻付きベビーホタテで更年期障害にも良い薬膳

 

見た目は悪いけど、簡単&美味

 

 

タッタ タッタ

     タッタ タッタ

 

新人君「あ、ぺんたんさーん、。」

ぺ「わ、新人君、、」

 

新人君「ぺんたん、良いところで会えました。」

ぺ「こんにちは、今、寄合所に行くところで  。」

 

新人君「実は今、スーパーなぎさで、これを買っちゃったんです。」

 

ガサッ

 

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ぺ「ベビーホタテ、ですね。」

新人君「はい、確か、、滋陰類の食薬でしたよね。」

ぺ「そうです。」

 

新人君「見た目が良くないせいか、売れ残ってて、、思わず買ってしまったんですが、どうやって調理したら良いのか分からなくて、。」

ぺ「簡単ですよ。」

 

新人君「では、、。」

ぺ「良いですよ、寄合所で調理しましょう。」

 

トコトコ  トコトコ

     トコトコ トコトコ

 

 

ガラッ

 

 

トントン  トントン

 

ぺ「暑くなって来たので、熱を取るキュウリも一緒に使いましょう。」

新人君「はい。」

 

ジャブジャブ

 

ぺ「ホタテは綺麗に洗って、、」

 

 

ドボドボ

 

ぺ「後は、鍋に白ワインを入れて、キュウリを並べ、その上にベビーホタテをのせて、蓋をして火にかける、だけ。」

 

グツグツ グツグツ

 

ぺ「ホタテの口が開いたら、枸杞子を散らして、、。」

 

パラパラ

 

 

ぺ「はい、ベビーホタテの白ワイン蒸し 出来上がり。」

 

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新人君「うまそう、、。」

 

ぺ「暖かいうちに、どうぞ。」

新人君「では、頂きまーす。」

 

パクッ ムシャっ

パクパクッ  ムシャムシャっ

 

新人君「えー、すんごく美味いです。」

ぺ「でしょ。」

 

新人君「あれ、ぺんたんさん、これ調味料何も使いませんでしたよね。」

ぺ「ホタテの出汁が出るし、ホタテの鹹味で良い塩加減でしょ?」

新人君「確かにそうですね、枸杞子の甘酸っぱさも、アクセントになるし、。」

 

ぺ「今日はキュウリを入れたけど、セロリでも良いわよ。気温が上がって来たから、熱を取る食薬を使うの、これを『清熱潤燥の術』って言うのよ。ほら、この前食べた「豚ロースのトマト煮込み」あれと同じ術なの。」

新人君「そうなんですか、、『清熱潤燥の術』、はい、勉強になりました。」

 

ぺ「ウフフ、、。」(この前、仙人から習ったばっかりのウケウリ〜)

 

 

 

ベビーホタテの白ワイン蒸し

材料(2人分)

殻付きベビーホタテ400g、きゅうり1/2本、白ワイン大さじ2、枸杞子2g

 

 

 

 

作り方

  1. 殻付きベビーホタテはしっかり洗う。枸杞子は水で戻す。
  2. きゅうりは細切りにする。
  3. 鍋に白ワイン、きゅうり、ベビーホタテを入れて蓋をし、火にかける。
  4. ホタテの口が開いたら、枸杞子を入れて火を止め、蒸らす。

 

 

 

 

ベビーホタテ(帆立貝)  滋陰類

[性味/帰経 ]  平、甘、鹹/ 肝、脾、胃、腎

[働き]⑴滋陰補虚 陰虚のめまい、口渇、小便不利

         ⑵調中開胃 消化不良、食少、倦怠

 

胡瓜  清熱瀉火類

[性味/帰経 ]  涼、甘/ 脾、胃、大腸

[働き]⑴清熱解毒 熱病の煩渇、咽喉腫痛

    ⑵利水消腫 下痢、むくみ

    ⑶潤膚美容 皮膚の赤み、乾燥

 

枸杞子  滋陰類

[性味/帰経 ]  平、甘/肝、腎、肺

[働き]⑴滋補肝腎 足腰疼痛無力、遺精、めまい、頭のふらつき

    ⑵益精明目 白髪、視力減退、眼精疲労、風に当たると涙が出る。

    ⑶潤肺止咳 肺腎陰虚の慢性咳、喘息

 

 

 

 

仙人問答

 

 ぺ「で、仙人、この前習ったばかりの『清熱潤燥の術』を使って来たんです。」

仙「ふむ、そうか、。貝類は陰液を滋養するからのう、。」

ぺ「腎にも帰経しますから、腎陰を潤すって事ですね。」

仙「そうじゃ、腎は耳に通ず、耳鳴りにも良いのじゃ。」

ぺ「枸杞子も入れたんですよ、肝腎に働いて良いかなーって。」

仙「ではこれは肝陰、腎陰を潤す『滋陰清熱の術』じゃのう。」

ぺ「えー、術が違う、、新人君に偉そうに言っちゃったのにー。」

仙「それ程大きな違いがある訳ではない。どの道、陰虚体質の人にお薦めの薬膳じゃ、腎陰虚、肝陰虚、それから「ほてり」を伴った更年期障害にも良いのう。」

ぺ「えー、新人君に、こ、こ、更年期障害向きの薬膳を、、、。」

仙「この時期に良い薬膳であることは間違いないから大丈夫じゃ。」

ぺ「あ、それなら良いですが、、。」

仙「ふむ、しかし、更年期障害と言っても、冷えを伴う症状がある人は、この薬膳ではなく、腎陽を温める「海老とかぼちゃの肉桂の炒め」がおすすめじゃぞ。」

 ぺ「はぁ、新人君に作った薬膳が、まさか更年期障害の話になるとは、、。」

 

ガックリ

 

 

旬のわらびで気を補う

 

わらびは五臓に良いんだって

 

 

ポカポカ

      ポカポカ

 

ケキョ  ケキョ ホーホケキョ

 

ぺ「あ〜、ウグイスが良い声で鳴いてる〜。」

 

ケキョ ケケケ  

 

ぺ「?  なんか、鳴き声が小さくなってきた、。」

 

キキョ  ホー ホーキキョ

 

ぺ「え? キキョ? ウグイスが  キキョ?気虚?  わ、大変だー」

 

バタバタ  バタバタ

 

仙「なんじゃ、騒々しい。」

ぺ「せ、仙人、大変です、ウグイスが、森のウグイスが、キキョって、、ホーホーキキョって、、。」

仙「なんと、、。」

 

キキョ  キキョ  ホーホーキキョ

 

仙「ふむ、確かに、キキョと鳴いておる。」

ぺ「どうしましょう、、。」

仙「良いものがあるぞ、昨日、山で摘んできたのじゃ、ホレ、。」

 

ドサっ

 

ぺ「あ、わらび、。」

仙「旬のものは体に良いぞ、それに、わらびは五臓の気を補うと言われておる。」

ぺ「五臓の気を!」

仙「そうじゃ、昨日のうちにアク抜きはしておいたからのう、このまま料理に使って良いぞ。」

ぺ「はい、では早速作って、ウグイスに食べさせちゃいます。」

 

 

トントン トントン

 

ぺ「えーと、わらびは、煮込むとクタクタになってしまうので、出汁に浸け込んで作る事にしようっと、、。新玉ねぎのスライスと、、後は塩昆布を使えば、調味料は要らないし、。」 

 

 

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ひたひた

 

ぺ「よし、これで半日以上浸け込んで、、。」

 

  ひたひた  ひたひた

 

ぺ「山椒を摘んで、ちょんとのせて、、。」

 

 

ぺ「はい、出来上がり、わらびと新玉ねぎの浸し和え  です。」

 

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仙「おぉ、出来たか、どれどれ。」

 

パクッ

仙「美味い、昆布の出汁が染みて、上品な味じゃ。」

 

パクッ

ぺ「あ、ほんと、美味しい。煮込んでないから、わらびの歯応えもあって、。」

 

ぺ「では早速、これをウグイスに、、。」

 

 ほいほい

 

 

 

わらびと新玉ねぎの浸し和え

材料(2人分)

わらび(アク抜き後、又は水煮)80g、新玉ねぎ(小)1/4個、塩昆布5g、水100cc

 

 

 

作り方

  1. 塩昆布を細く切り分量の水に入れて火にかけ、沸騰直前に止め、冷ます。
  2. 塩玉ねぎを薄切りにし、水にさらす。
  3. わらびは3cmの長さに切る。
  4. 1の出汁に、水を切った玉ねぎ、わらびを浸し、半日以上つけておく。

 

 

 

 

わらび 

[性味/帰経 ]  寒、甘/腎、膀胱

[働き]⑴ 解熱、利尿、解毒

         ⑵ 五臓の気を補う

 

玉葱  理気類

[性味/帰経 ]  温、辛、甘/脾、胃、肺、心

[働き]⑴健脾理気 食欲不振、下痢

    ⑵和胃消食 げっぷ、吐き気、胃もたれ

    ⑶発表通陽 発熱、悪寒

 

昆布  化痰類  

[性味/帰経 ] 寒、鹹/肝、胃、腎

[働き]⑴消痰軟堅    瘰癧、こぶ、肝腫、脾腫、睾丸の腫大疼痛、

    ⑵行水消腫    水腫、げっぷ、血便、脚気、むくみ

*脂肪の値を下げ、血圧を下げる

 

 

 

仙人問答

 

 

ケキョ ケキョ

        ホーホーケキョ

 

ぺ「あー、良かった、ウグイスも元気になったみたい。」

仙「山菜の季節じゃのう、わらびにフキ、たけのこ、、。」

ぺ「はい、でも山菜はアク抜きが必要なので、ちょっと手間がかかりますね。」

仙「ふむ、わらびは新芽に初ガン物質を含んでおるのでのう、しっかりとアク抜きをする事が大切じゃ。」

ぺ「はい、手間はかかりますがこの時期だけのお楽しみですね。」

仙「そうじゃ、ウグイスも五臓の気を補って、玉ねぎで気も巡らせて、良い声で鳴いておる。」

 

ケキョ ケキョ

  ホーホーケキョ

 

ぺ「あ、そうだ、私、助陽類の食薬の資料、まだ里に持って行ってないので、ちょっと行ってきまーす。」

 

タッタタッタ 

    タッタ タッターー

 

 

 

 

 

助陽類の海老を使って、冷えを改善

 

疲れにも温活にも

 

 

♪ ♪ yoo yoo yo yin yo ♪ ♪ 

 

ぺ「♪♪ 海老は yoo 巡り巡ってyoo 体温め yoo〜 

仙「♪♪ かぼちゃyoo カロテン豊富でyoo 疲れ癒してyoo〜 

 

トントン トントン

 

ぺ「♪♪ ニッキも使ってyoo 五臓温めyoo〜

仙「♪♪ ニッキはyoo かぼちゃと相性良いyoo〜 陽気高まるyoo〜

 

 シャッシャッ  

      シャッ シャッ

 

ぺ「♪♪ 出来たyoo〜 海老とかぼちゃの肉桂炒め  だyoo〜 

 

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仙「♪♪ 香りが良いyoo〜 かぼちゃ甘くてyoo〜

ぺ「♪♪ 冷え性の人にはこの薬膳だyoo〜 エアコンで寒い時にも良い yoo〜

 

 

♪ ♪ yoo yoo yo yin yo ♪ ♪

       ♪ ♪ yoo yoo yo yin yo ♪ ♪ 

 

 

 

海老とかぼちゃの肉桂炒め

材料(2人分)

海老120g、かぼちゃ100g、玉ねぎ1/4個、紹興酒大さじ1/2、塩、オリーブ油、肉桂小さじ1/2

 

 

 

作り方

  1. 海老は殻をむき、背ワタを取って塩を振り紹興酒につける。
  2. 玉ねぎは薄切りにする。
  3. かぼちゃも薄切りにし、ラップをしてレンジで軽く蒸す(炒め易くする為)
  4. フライパンにオリーブ油を入れ火にかけ、温まったら海老を炒め、取り出しておく。
  5. フライパンで玉ねぎを炒め、それからかぼちゃを加えて炒め、海老を戻して混ぜ合わせ、火を止める。
  6. 器に盛り、肉桂をまぶす。

 

 

 

 

海老  助陽類

[性味/帰経 ]  温、甘/肝、腎、 脾、肺

[働き]⑴補腎壮陽 勃起不全、腰膝軟、骨痛、冷え

    ⑵温陽開胃 胃痛、食欲不振

    ⑶托毒通乳 口瘡、癰瘡腫毒、母乳分泌不足

 

かぼちゃ  補気類

[性味/帰経 ]  温、甘/脾、胃

[働き]⑴補気健脾 脾気虚の疲れ、悪心、嘔吐、胃腹疼痛、下痢、便秘

 

玉葱  理気類

[性味/帰経 ]  温、辛、甘/脾、胃、肺、心

[働き]⑴健脾理気 食欲不振、下痢

    ⑵和胃消食 げっぷ、吐き気、胃もたれ

    ⑶発表通陽 発熱、悪寒

 

肉桂(シナモン、ニッキ)  温裏類

[性味/帰経 ]  大熱、辛、甘/腎、脾、肝、心

[働き]⑴補火助陽   脾腎陽虚の冷え、むくみ、勃起不全、生理不順、下痢、喘息、心悸、不眠

    ⑵温暖脾胃 脾胃虚寒の食欲低下、胃脘冷痛

    ⑶温通経脈    慢性の瘡瘍腫毒、閉経

         ⑷袪寒止痛     生理痛、関節・筋肉の寒湿痺痛

 

 

 

仙人問答

 

ぺ「仙人、久しぶりに出ましたね、yinyoラップ♪〜

仙「ふむ、やはり助陽類の食薬を摂ると陽気が高まり、陽気になるのう〜」

ぺ「海老で陽気を補って、」

仙「かぼちゃで気を補う。」

ぺ「玉ねぎで気の巡りを良くして、」

仙「肉桂で寒邪を蹴散らす。」

ぺ「あれ?仙人、これ、もしかして冬向きの薬膳⁈ 」

仙「そうじゃ、その通り。しかし、今はエアコンで体が冷えたりするからのう、そんな時には良いのじゃぞ。」

ぺ「そっか、そうですよね、疲労回復にも良いし、、。」

 

♪ ♪ yoo yoo yo yin yoo〜

    冷え性の人は おやつにクルミ食べyoo〜 

             紅茶にシナモンひと振りし yoo〜 

     これプチ温活だyoo〜

         yoo yoo yo yin yoo〜♪ ♪

 

      

陽気になっちゃう 助陽類の食薬&中薬

 

腎に良いのよ

 

ぱたぱた 

     ガサゴソ

 

ぺ「よしっ。」

 

 

 パシャッ

 

【 助陽類の食薬 】

 

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 *くるみ、海老、杜仲

 

 

仙「ほぉ、今日は助陽類の食薬か、、。」

ぺ「はい、補益類のうち、補気養血滋陰の3つの食薬の資料を作りましたので、残りの一つ、助陽類も作っておこうと、。」

仙「それは良い事じゃな。」

 

ぺ「でも仙人、助陽類って、以外と少ないですね。」

仙「ふむ、確かに一般的な食材が少ないのう、。」

 

ぺ「助陽類っていうのは臓腑を温める食薬なんですよね。」

仙「そうじゃな、、陽気を補う、と言った方が良いかな。」

ぺ「陽気を補う、、。」

 

仙「臓腑の働きが低下すると、気が不足し『気虚証』になる、そしてそれが更に悪化すると冷えや疼痛などの症状が現れる、それが『陽虚証』じゃ。」

ぺ「あ、以前にも教えて頂きましたよね、一般的な冷え証は陽虚証に含まれるって、。」

 

仙「ふむ、それで、その陽気を補い、臓腑の機能や抗寒能力をアップするのが、」

ぺ「助陽類の食薬、、、なるほど、、。」

 

仙「助陽類の食薬は腎に帰経し、腎陽虚を改善する食薬が多いのじゃ。」

ぺ「腎陽虚、、って事は、老化防止にも良いって事ですね。」

仙「そうじゃな、。腎はウォーター、つまり水、いつも冷たい環境に置かれているわけじゃ、だから温めてやらねばのう。」

ぺ「冷たい水を温める、、大事な食薬ですね、、。」

 

仙「臓腑を温める食薬に温裏類があるが、これと一緒に使って、効果をアップさせたりもするのじゃ。」

ぺ「あ、そうか、、では助陽類は温裏類と使う、、って、メモっとこ、。」

 

仙「しかし、さっきも言うたように、陽虚は気虚が悪化して出てくる症状じゃから、やはり気を補う事も大事なんじゃ。」

ぺ「そうか、やっぱりここでも補気類、、つまり助陽類+補気類っと、。」

 

 

 

助陽類   食薬 】

 *全て温性

 

 

 

助陽類  中薬 】

  • 鹿茸(ろくじょう、鹿の角)
  • 肉じゅよう(ホンオニク)
  • 淫羊藿(いんようかく、イカリソウ
  • 杜仲
  • 益智仁(やくちにん)
  • としし(マメダオシ、ヒルガオ科)
  • ごうかい(オオヤモリ)
  • 海馬(かいば、タツノオトシゴ
  • 紫河車(しかしゃ、ヒトのタイバン
  • 冬虫夏草
  • 胡桃肉(クルミ)
  • 韮子(きゅうし、ニラの種)

 * 平性ーとしし、ごうかい、

 

 

 

 

仙人問答

 

仙「助陽類は陽を補う食薬じゃから、殆どが温性じゃ、。」

ぺ「やっぱり、、、温裏類もそうなんですよね⁈」

仙「いや、温裏類は熱性の香辛料なども含まれておるのでな、、。」

ぺ「なるほど、、そこが助陽類とは違ってくるのですね。」

 

仙「どちらも、陰虚証の人は控えたい方が良い食薬じゃ。」

ぺ「あ、そうか、陰虚体質、陽虚体質の話ですよね。陰虚の人は陰が足りないから陰を補う、、。」

仙「そうじゃ、陽を補うと益々陰陽のバランスが崩れてしまうのでな。」

 

ぺ「それにしても、、犬とか、鹿とか、熊とか、タツノオトシゴとか、、ジビエ料理ですか、これ、。」

仙「ウハハハハ、まぁ、手に入り易い海老、クルミ、イワナ、杜仲などを上手に使う事じゃのう。」

ぺ「はい、助陽類を使った薬膳も考えてみます。」

 

仙「そうじゃ、奈良へ行こう!」

ぺ「え?」

仙「鹿&鹿の角がワサワサ、ワサワサ、、」

ぺ「ふん、ふん、ふん、ふん、ふーん!」

フラフラくたくた補気ッチャえ! イライラうつうつ理気ッチャえ!